フェルミ漫画大学風に「発見手続きとしての競争」を解説します

令和4年(2022年)2月22日着手

以前、大学時代の私が書いたハイエクのレポートを基に、一連の記事を公表しましたね。以下のページがその第1弾です。

大学時代の課題レポートを読み返した件2 ハイエクの課題レポートから 全文紹介 – 悪徳オンラインギャンブルビジネス・ERAとDivineを撲滅する為に糾弾し、啓発も行います (antinovaeradivine.com)

その解説も別記事で行っています。

大学時代に作成したハイエクの課題レポートを解説する1「発見手続きとしての競争」から その1 – 悪徳オンラインギャンブルビジネス・ERAとDivineを撲滅する為に糾弾し、啓発も行います (antinovaeradivine.com)

大学時代に作成したハイエクの課題レポートを解説する2「発見手続きとしての競争」から その2 – 悪徳オンラインギャンブルビジネス・ERAとDivineを撲滅する為に糾弾し、啓発も行います (antinovaeradivine.com)

ただ、こうして述べているだけでは頭に入り辛いという方もいるかと思います。そこで私は、「フェルミ漫画大学」というYouTubeチャンネルを意識して、ハイエクの「発見手続きとしての競争」を解説していきたいと思います。

このチャンネルについては、私も以前に取り上げました。

フェルミ漫画大学風に『夢があるから走ってゆける』を要約・解説します ブログ開設3周年記念 – 悪徳オンラインギャンブルビジネス・ERAとDivineを撲滅する為に糾弾し、啓発も行います (antinovaeradivine.com)

「フェルミ漫画大学」の形式を用いたのは、少しでも物語の要素を入れて理解しやすくする為です。人間は単なる説明や説教よりも、物語を好みます。単にバスケを覚えるにしても、先生があれやこれや言っているだけよりも、漫画やアニメを見て覚える方が楽しく感じられます。だからこそ、『スラムダンク』がヒットして現在においても根強い人気があるのではないでしょうか。

私も皆様がハイエクについての理解をして、教養を身に付けて賢くなる為の一助として、この物語風の記事がお役に立てれば幸いです。

サムネイルのセリフは「自由に競争しろ」です。

BGMは勿論、「Jazz in Paris」です。以下の動画を聴きながら楽しんで下さい。

フェルミ漫画大学様へ

今回の記事の脚本は、必要に応じて改良・追記・部分削除をなさって構いません。勿論、この台本も応募いたします。

フェルミ漫画大学のノリで「発見手続きとしての競争」を要約・解説しました

望月りん「はい、望月りんです。今回はフリードリヒ・ハイエクが書いた論文『発見手続きとしての競争』について解説していきます。ところでお前、ハイエクって知ってるか?」

けんた「いや、知らないです・・・。」

りん「それもしょうがないよな。日本だと高校の社会科教育でさえも、ハイエクを教えないもんな。じゃあ、教えてやるよ。ハイエクは1899年にオーストリアで生まれて、1992年にドイツで亡くなった経済学者・哲学者なんだ。」

けんた「随分と長生きで、割かし最近まで生きてたんですね・・・。教科書に載ってる世界史を相当見て来たんじゃないんですか・・・?」

りん「そうだな。第1次大戦・第2次大戦も実際に見て来てるし、従軍経験もしているんだ。」

けんた「僕たちが教科書で見て来た戦前と戦後の歴史を、当事者が見て来たって事なんですね・・・。」

りん「そのハイエクは、戦後の資本主義と共産主義の対立も見て来た人なんだ。その兆しは戦争中にもあったし、その時から一貫してハイエクは共産主義の統制には反対してた。他にもスウェーデンみたいな福祉国家にも反対してたんだ。」

けんた「それは知らなかったです!で、今回はそういうハイエクの資本主義の社会の良い所を紹介する感じなんですか?」

りん「まあ、そんなところだな。といっても、本人は資本主義者というよりかは、古典的自由主義者を自称してたけどな。そこら辺は今回割愛するぞ。今回の論文は5部構成だから、5つのステップに分けて解説だ。」

けんた「では、解説お願いします!」

STEP1 「未知数こそ鍵」

りん「まず初めに、未知数こそ鍵であると言えるな。」

けんた「と言いますと・・・?」

りん「競争は最終的な結果が分からないからこそ、意味があるし効果があるんだ。サッカーの天皇杯を思い浮かべてみろよ。」

けんた「あー、ジャイアントキリングですね!下のカテゴリーのチームが上のカテゴリーのチームを倒すから、面白いですし初めから結果が分かっていたら、そんなの茶番で面白くないですよ!」

りん「だろ。だから競争は面白いし、世の中が発展するんだ。実は競争って、科学と共通点あるんだぜ。分かるか?」

けんた「え?水素とかの化学反応の事ですか?」

りん「ちょっと違う。あたしがここで言っているのは、ばけがくの化学じゃなくてサイエンスの科学の方だ。」

けんた「ごめんなさい。じゃあ、共通点の話に戻しますね。競争と科学の共通点と言われても、さっぱり分かんないです。ただ、科学と言われると真っ先に理科を思い浮かべますね。エジソンみたいな人が何か科学者やってて発明をやってるイメージがありますね。」

りん「それで良いぞ。競争と科学ってのは個別の事だけじゃ実績を試す事も予測も出来ない点で共通しているんだ。」

けんた「確かに、さっき言ったサッカーの天皇杯で言ったら、歴代の優勝チームを見ただけでは、どこが今年は優勝するとか分からないですよね!」

りん「その通りだ。科学だってそれは同じだぜ。さっきエジソンがどうこう言ってただろ。あれだって科学の良い例だ。」

けんた「え?そうなんですか?彼は色んな発明をして今の文明の基礎を作り上げた位しか分からないです。」

りん「実はな、エジソンは発明するまでに失敗しまくってたんだぜ。その失敗をエジソンは『失敗したんじゃない。上手く行かない1万通りの方法を発見しただけだ。』って言ってるんだ。要するに、沢山の失敗をしている内は、大きな発明・発見なんて分かりっこない。でも、電球を発明して今でとなっては欠かせない道具になってるだろ。」

けんた「確かに。個別の失敗を見て諦めていたら、そこで終了ですもんね。それこそ未知の部分が大事ですね!」

りん「だがな、競争と科学には違いがある。分かるか?」

けんた「え・・・?さっぱり分からないです・・・。」

りん「競争はな、一時的な事実だ。でも、科学はずっと続く一般的な特定の事実なんだぞ。さっきの例で言ってみろよ。」

けんた「あー、競争だったらさっきのサッカーですね。天皇杯だと一時的にどこかのチームが優勝して勢いづく事がありますけど、それがずっと続くとは限らないですもんね。科学だったら、エジソンの電球ですね。今の人達はスイッチさえ入れれば電気を付けれますし、どこの国でも同じですよね。」

りん「そうだな。これで競争も科学も未知数だから面白いって事が分かったな。」

STEP2 カタラクシーとエコノミー

りん「次はカタラクシーとエコノミーの違いを解説だ。」

けんた「エコノミーが経済って意味なのは、一般常識じゃないですか。でも、カタラクシー何て全然聞いた事ないです。」

りん「普通の人はそう言うだろうな。でもな、エコノミーは元々そういう意味じゃないんだぜ。カタラクシーもエコノミーもギリシャ語の単語が語源なんだ。」

けんた「ええ、それも初耳ですよ!」

りん「エコノミーっていうのは、ギリシャ語のオイコノミアoikonomiaが語源なんだ。更に言うと、「家」という意味のoikos(オイコス)と「秩序・管理」という意味のnomos(ノモス)という二つの単語が組み合わさった単語だぜ。要は、家の中で秩序立てられて管理された状態を指してる。主婦だって家計簿使って家の支出を考えて確認してるだろ。それだよ。」

けんた「へぇ~。何気なく使っている単語にそんな意味があったんですかぁ。さすが、ヨーロッパ文明の元祖ですね!」

りん「そのオイコノミアがいつの間にかお金や市場経済と密接に関わるエコノミーと言う単語になった。でもそれは、厳密には誤解だってハイエクは言ってるんだ。」

けんた「え、別に問題無いと思いますけど・・・?」

りん「今の日本経済を考えろよ。今の日本では色々な人が色々な職業・職種に就いてるし、持っている知識も働く場所も人それぞれだし、選択の自由だってある。今の北朝鮮みたいな統制・管理社会じゃないだろ。」

けんた「確かにそうですね・・・。何か『資本論』の授業を思い出しました!中央政府の計画とその役人の裁量が絶対なのが、その経済の内容でしたね!」

りん「良い復習になったな。エコノミーは厳密には、そういう計画と分配が成される秩序の事を指すんだ。」

けんた「もしや、先生がさっき言ってた自由な日本経済の様な秩序がカタラクシーなのですか?」

りん「正解だ。これはギリシャ語のkatallattein(カタラテイン)が由来なんだ。意味は想像付くか?」

けんた「厳密な意味でのエコノミーとは逆なんでしょう?だったら、自由に取引をしているイメージが湧きましたね。」

りん「まあ、そんな感じで構わない。その意味は、『交換する』『敵を味方にする』『共同体に入るのを許す』なんだ。ざっくり言うと、互いに尊重し合ってやり取りをする事なんだ。」

けんた「確かに。バイトとかで面接して気に入られれば、勤務先の一員になれますし、コンビニだったらお客さんに商品を提供して、お金を得て売り上げを出せますもんね!」

りん「そう。あと、人それぞれ持ってる知識も才能も技術も違うし、必要とされる場所も違う。それを補い合って互いに支え合っている。時間と労力を交換してお金を得て、それぞれの個人が自分の目的を追求できるんだ。」

けんた「これって正に日本とかの資本主義社会そのものじゃないですか!」

りん「その通りだ。時と場所によって生かされる知識も発見も当然違ってくるぞ。新大久保の街中と六本木ヒルズの高級住宅街とじゃ住む人も違えば、来る人の事情も違う。その人達に何を売り込むかも変わってくる。新大久保の街中で、所得レベルが平凡な庶民に1個100万円の指輪なんか売れっこない。でも、手頃な日用品なら売れるだろ?それを発見して、色んなお店が差別化を図りつつも発見と競争を繰り返すからこそ、あそこは発展してきた。」

けんた「おお、例えが分かり易いです!自分の状況・事情に応じて自由に商売をしていくのが、カタラクシーじゃないですか!」

STEP3 見えざる手

りん「次に『見えざる手』を話題にする。アダム・スミスは知ってるか?」

けんた「ええと、中学か高校の社会の授業でその名前だけは習った覚えがあります。経済学者でしたっけ?」

りん「ああ、そうだ。そのアダム・スミスで良い。何が有名かまでは覚えてるか?」

けんた「いや、そこまでは思い出せないです・・・。」

りん「見えざる手って言うのはな、成り行きに任せて価格調整される仕組みの事なんだよ。さっきも言ったけど、自分の目的も人それぞれだし、その好みだってそうだ。そうした状況で調整をして最大限に利益を上げられるんだぞ。」

けんた「でも、ご時世がご時世なので、僕は出来れば安く買って節約したいんですよね・・・。」

りん「それだよ。売れなくて賞味期限が近かったり、新しい商品を入荷したら、前から売ってた売ってたやつは、店側が割引で安売りするだろ。そうすればお金に余裕が無い人も、モノを買えて利益を出せる。」

けんた「なるほど!目には見えないけど、自ずと価格が調節されていってますね!」

りん「そう、そんな風にある程度は偶然に任せてサービスやモノを販売するのさ。」

けんた「でも、今の電気代やガソリンとかの値段が高くなってるのは、痛いですよね・・・。」

STEP4 見えざる手の利点

りん「他にも見えざる手の利点はあるぞ。それは何か分かるか?」

けんた「え?さっき言った価格調整だけじゃないんですか?具体的にはうまく言えませんけど、それって資本主義の利点みたいなものですか・・・?」

りん「そんな所だな。さっきお前は価格高騰がどうこう言ってたな。そういう状況を昔は想定できなかっただろ?こういうのは統計学のデータだけ見ても、具体的にハッキリと未来が分かる訳じゃない。でも、何かしらの対策を講じる事くらいは出来るだろ?」

けんた「そうですね。さっき言ってた節約です。お店側もそういう状況を利用して、売り込みも自由に出来ますね!」

りん「でもな、社会主義・共産主義社会だとそういう自由は誰も許されてないんだぜ。『資本論』の授業を復習しようか。」

けんた「国のやってる統制と分配が絶対ですもんね。そんなんじゃ、まともに商売なんか出来ない。今の北朝鮮が正にそれです。」

りん「その通りだ。何かあった時の柔軟な対応も、見えざる手が無いと無理だな。」

STEP5 競争の重要さ

りん「ここまで聴いて競争の重要さは分かったな。でも、キチンと競争が行われるには、まだ条件があるんだ。それは何か分かるか?」

けんた「えーと・・・、今までの概念を覆す様な技術革新みたいなものですか・・・?さっき言ったエジソンの発明みたいな・・・。」

りん「良い線行ってるな。今までの伝統や習慣には捉われないやり方で、何かしらの新しい商品を作って売んなきゃいけない事だな。電気無しの社会に逆戻りして生活するのは出来ないだろ?」

けんた「そんなの困りますよ!不便で仕方ないですよ!」

りん「そうだろ。競争は今までの習慣や伝統に縛られずにやるから、今の社会がこうして発展したんだ。でも、その競争にも短所はある。身近な例を挙げたら、AIつまり人工知能だ。もしお前の会社がその導入でクビになったらどうする?」

けんた「いきなり言われても困りますね・・・。どうやって生きて行けばいいんだよってなります。正直考えたくもない」

りん「だろ。じゃあ人工知能のプロだけに任せっきりにするのか。」

けんた「いざという時は、クビになった人達同士で集まってデモに参加しますね。」

りん「だよな。デモに参加しなくても、そういう集団圧力が掛かるな。それこそ競争の欠点だよ。実際の歴史を見れば、産業革命のころのイギリスだって、技術革新の発展の裏には、機械打ちこわし運動があった。今までの繊維の職人や労働所の仕事が無くなったからな。でも、人工知能の波は避けられない。そういう反対運動に参加する選択肢がなかったら、お前はどうする?最近のウクライナ戦争を見ても、ロシアでは戦争反対の勢力はことごとく検挙されてるぞ。その手の反対運動を起こしたって、どうにもならないのは明白だ。その傾向は日本にも及ぶと思った方が良いぞ。」

けんた「ええと、人工知能だと出来ない様な事だったり、AIを支える勉強に取り組みます。例えば農業とかプログラミングとか・・・。『資本論』の授業の時とかも何かしらの自分のビジネスみたいなものは持てって言ってましたね。」

りん「よく言った。どこかしらの学校で勉強をするにしても、一人で勉強するにしても教材代とかのお金がいるだろ?その為にも自分の私有財産と自由が認められてないといけないんだ。」

けんた「そんなのさっき言ってた社会主義や共産主義では無理ですね。頑張ってプログラミングの勉強でも検討しようかな!」

まとめ

りん「ではまとめだ。

・競争とその過程の発見は未知数がカギ

・カタラクシーは「自由な競争と取引のある社会」を意味するハイエクの造語。エコノミーは本来、「秩序立てられて統制された社会」を意味する。

・見えざる手のお陰で価格調整が成され、利益を上げられる

・見えざる手のお陰で想定外の事にも柔軟に対応できる

・競争は今までの慣習に縛られずにやるから、発展が生まれる。それには個人が自由に自分の財産を使う事も認められないといけない。

だな。」

けんた「今の社会情勢についてだけじゃなく、これからの自分はどうするべきかも考えさせられました。」

りん「それは良かった。これからも授業で学びっぱなしにはしないで、自分で取り入れて実行しろよな。」

けんた「はい、そうします!」

りん「という訳で、今回の授業はここまでだ。」

けんた「ありがとうございました。」

本編終了

前回同様、作り始めはなかなか上手く行きませんでしたが、書けるようになるとスラスラと記せています。

指示書きは敢えて行わず、皆様のご想像にお任せします。

以上で今回の記事を締め括ります。

何かありましたら、ご連絡下さい。

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